
この記事はポッドキャスト Episode 84:【HL Fishing】ハイパーライトフィッシングたる所以(16:36)の内容を書き起こし、読みものとしてまとめ直したものです。
先日釣ったヒラスズキ、正確に測り直したら77〜78センチありました。
75センチと思っていたので、思った以上にデカかったんですね。
釣ってから2日ぐらい経ちますけど、今思い出しても、いい釣りだったなと思っています。
もちろん魚が大きいと嬉しいです。僕はそういう男の子なところもあったりするので、単純にデカい魚が釣れると嬉しい。
でも、あの釣りが良かったのは、そういうことではないんですね。
僕はハイパーライトフィッシングという釣りメディアを運営しています。ハイパーライトフィッシングは、ある種の概念でもあるし、スタイルでもあるし、思想みたいなところもある。いろんな捉え方ができるものです。
今回のヒラスズキは、まさにそのハイパーライトフィッシングそのものだったんです。
このスタイルができた理由はいくつかあります。
一つは、娘ができたことです。
子育てがあると、釣りはただの娯楽なので、手放しで釣りに行くことはやっぱりできません。時間はかなり限られている。
その限られた時間の中で、どうやって釣りを設計するか。つまりは、自分がどうすれば真剣に遊べるのかを、真剣に考えたんですね。
そこで見えてきたのが、こうすれば釣りも楽しめるし、短い時間でできるし、魚も釣れる、というやり方でした。
もう一つは、ヒラスズキです。
僕は毎年秋になると、大型のヒラスズキを狙っています。
ヒラスズキというと、荒磯に行って、サラシを狙って、そこでしか釣れない魚、というイメージを持っている方が多いかもしれません。
でもタイミング次第では、サーフに接岸する時期があるんですね。砂ヒラと言われるものです。
磯に行けば、いざ釣りをするとなったら半日、下手したら1日かけて真剣に遊ばなければいけない。
一方でサーフはアクセスが簡単です。たった1〜2時間でも釣りができて、しかも接岸するタイプは割と大型が釣れる。
短い時間で、簡単に行けて、大型が釣れる。しかも狙い方によっては、本当にライトなタックルで釣れるんです。
ヒラスズキにはごっつい竿、強靭なタックルがいるというイメージがあるかもしれません。でも僕は全然そんなことはないと思っています。
そう思うようになったのは、たまたまでした。
ヒラスズキを狙っていたら、まさかそんなサイズが、というのが掛かったんです。83センチでした。
そのとき使っていたのが、アジを釣るためのウルトラライトなロッド。掛けることはできても、釣り上げられるとは思っていませんでした。
実際、掛けた瞬間はもうこれ絶対取れないじゃん、と半分諦めていたんです…。でも、まさか取れてしまった。
まぐれといえばまぐれです。釣れないことはないか、というところもあるんですけど、とにかく釣れてしまったんですね。
人間って、一度コツを掴むと見えてくるものがあると思うんです。
たとえばスーパーマリオで、何回も落ちていた穴を一回飛び越えられたら、次から簡単に越えられるようになる。成功体験でも、失敗の経験でも、人は結構簡単に成長できたりします。
僕もあの1本で、これはいける、と思っちゃったんですね。
それからは、アジロッドを1本だけ持って、超身軽な格好で、ルアーも数個だけ。それでヒラスズキに挑むのが、毎年の秋の釣りスタイルになりました。
合間には25センチぐらいのメッキ、ヒラセイゴ、30センチぐらいのショゴ(カンパチの子供)、30センチ程度のカマスも狙う。そのなかで大型のヒラスズキも狙う。それを1本のライトタックルでやるスタイルが、いつの間にか構築されていったんです。
平たく言うと、ウルトラライトなタックルで釣りをする、ウルトラライトフィッシング。最初はそう名前をつけてやっていました。
でも、もっとライトで、かつハイパーな感じで釣りができたらいいなと思って、ハイパーライトフィッシングに改名して、今に繋がっています。
今回のヒラスズキは、まさにそんなシチュエーションでした。
車からスポットまでは、だいたい2キロぐらい。車で近くまで行くこともできたんですけど、あえて遠くに停めて、ひたすら歩いていきました。
歩きながら、サーフを観察する。メッキが釣れないか。ベイトになる魚は何か。いろんなことを見ながら進んでいきます。
その日は中秋の名月の頃で、周りにはエギングでアオリイカを狙っている人が結構いました。
エギングは基本的に、その場にずっと留まって、回遊や地合いを待つ釣りです。そういう人たちがサーフにぽつんぽつんと立っている。
僕はその後ろや横を、邪魔しないように、軽く釣りをしながら通り過ぎていく。僕だけが足で稼いで、何かしら釣れる魚を探していく。
そうしていたら、まさかの大型が釣れたんですね。
40センチぐらいとか30センチぐらいのチヌなら、最近もハイパーライトな感じで何匹も釣ってきています。
でも、僕のハイパーライトフィッシングはヒラスズキから始まっています。
その原点であるヒラスズキで、思い描いていたスタイルを体現できた。こんなに体現できた日は珍しかったんじゃないかな、ぐらいの感覚です。
それが本当に嬉しかったし、僕にとって大きな体験でした。改めて、ハイパーライトフィッシングってこれだよな、と思えた1本だったんですね。
🎧 この話は音声でも聴けます: Episode 84:【HL Fishing】ハイパーライトフィッシングたる所以(16:36)